@article{oai:nvlu.repo.nii.ac.jp:00000195, author = {松藤, 薫子}, issue = {65}, journal = {日本獣医生命科学大学研究報告}, month = {Dec}, note = {"本研究では、英語児の自然発話資料に基づき、叙述的所有表現の獲得過程を考察することを目標とした。haveを含む文に焦点をあて、大人の言語知識においてhaveの主語と目的語がどのような意味関係を表すかを整理し、大人の言語知識を子どもがどのように獲得するのかを考察した。その結果、 (A)のような大人の言語知識に対して、(B)のような子どもの獲得過程で見られる特徴を明らかにした。 (A) haveを含む文に関する大人の言語知識 他動詞haveは2項(A・B)を持ち、それを含む文は動作文と状態文に大別される。動作文は「AがBの行為をする、AがBを受ける、AがBの飲食をする」などの意味を表す。状態文は「AはBをAのものとして持っている」という所有関係を表す。この所有関係は複雑で広範囲の関係を表しうるため、Taylor(1996)やHeine(1997)が用いた家族的類似性という概念に基づき、(a)の特徴すべてを満たすものが「典型的所有関係」、それから多少逸脱するものとして「(人と)家族・友人関係」、「(人と物の)携帯関係」、「全体と一部の関係」「(植物・人工物と物の)/(人と事の)近接関係」があるとする。 (a) i. 所有者は人間である。 ii. 所有物は無生物で、通常、価値のある具体的で物質的な人間以外の物である。 iii. 所有者に所有物を利用するための独占権がある。 iv. 所有物は所有者と近接した位置関係にある。 v. 所有関係が長期にわたる。 (B) 子どもの言語獲得過程にみられる特徴 動作動詞haveを含む文は2歳から使われ始める。 状態動詞haveを含む文は2歳から使われ始める。人間が所有者、物が所有物であるかどうかは明らかではないが、(a)の特徴のうち(i)(iv)の人と物の(短期の)「近接関係」が高頻度で表された(これは大人ではみられない)。この頻度は、年齢が上がるに従って下がるが、5,6歳になってもその使用が無くなることはない。 使用頻度は少ないが「携帯関係」「全体と一部の関係」「家族友人関係」は2歳、3歳から表される。「典型的所有関係」は3歳以降に少しずつ表されるようになる。「典型的所有関係」を表すには、(a)の5つの条件をすべて同時に満たさなければならない。haveを含む文と特に所有物の価値、所有者の独占権、所有関係の長さを結びつけることに困難を伴うように思われる。英語児の叙述的所有表現の獲得に関する仮説として(C)を提案する。 (C)英語児の獲得過程には、have所有文に関しては近接関係から典型的所有関係への意味の拡張がある。         "}, pages = {25--33}, title = {英語の叙述的所有表現の獲得に関する予備的考察:動詞have を含む発話文の分析から}, year = {2016} }