@article{oai:nvlu.repo.nii.ac.jp:00000102, author = {松藤, 薫子}, journal = {日本獣医生命科学大学研究報告}, month = {Dec}, note = {本研究では,松藤(2012)で明らかにした英語と日本語の叙述的所有表現にみられる共通点と相違点を踏まえ,生成文法理論に基づき,叙述的所有表現のどの部分が普遍文法で規定される特徴であるのか,どの部分が言語経験を通して獲得される個別言語に特有な特徴であるのかを考察した。その結果,以下の4点を明らかにした。  第1 に,所有者を表す名詞句が先,所有物を表す名詞句が後という順序がみられる。普遍文法に基本的語順を決定するパラメータがあると提案されている。子どもは早期に自分の母語の言語経験によりパラメータ値を固定し,所有者・所有物を含む文にも当てはめる。  第2 に,英語,日本語などそれぞれの言語が持つ叙述的所有表現の形式に関して言語間変異がみられる。その変異を説明するために,少なくとも2 つのアプローチがある。1 つは,普遍文法にその変異を捉える2種類のパラメータがある。その1 つが,出来事2 つを2 つの節で表す文に関わるものであるため,子どもは比較的遅い時期に言語経験に基づきパラメータ値を固定する。もう1 つのアプローチは,普遍文法に,ある獲得段階から次の獲得段階の文法への移行をとらえる一般法則があり,その最終結果として生じる文法が言語間変異と考えるものである。  第3 に,所有を表す動詞の項構造は,子どもが言語資料に接しながら,個々の動詞の語彙情報を獲得し,生得的な連結規則を用いて,項と文の統語構造を結びつける。所有文の意味は,生得的な言語獲得原理・意味の合成の原則と文化・経験を通して獲得する。  第4 に,叙述的所有表現に表れる名詞は格や後置詞を取る。普遍文法に格認可システムがあると仮定されている。格を具現しない英語を獲得する子どもとは異なり,日本語児は,格標識を表す語や後置詞に属する語を学習しなければならない。}, pages = {58--66}, title = {生成文法理論に基づく叙述的所有表現の一考察:普遍的特性で規定されている部分と経験により獲得される部分}, volume = {63}, year = {2014} }